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報道ニッポン“2006年7月号”掲載記事
報道ニッポン/国際通信者グループ 2006年7月号 の記事より
特別企画:再生日本 ~企業家たちの横顔に迫る~

機械では出来ない溶接・研磨を手掛け、様々な特殊部品製造の最終工程を担う『ナカネ工作所』。 その技術力には定評があり、三菱重工業やメーカーとの取引も多く、業界で信頼を寄せられている。独自のノウハウを築き、誇りを持って仕事に取り組む中根社長と奥様の早百合さんに、俳優の加納竜氏がお話を伺った。
特殊部品の溶接・研磨で製造の最終工程を担う
- 加納:
- 『ナカネ工作所』さんの創業の経緯からお聞かせ下さい。
- 中根:
- 私は『三菱重工業㈱高砂』で長らく物作りに携わっていたのですが、商売をしていた兄の影響も受けてか、やがて独立を考えるようになりました。それで、身につけた特殊部品の溶接・研磨の技術を活かすため、平成2年に個人事業として当社を興した次第です。
- 加納:
- 最初はやはりお1人から?
- 中根:
- はい。ただ妻が公私の両面に亘って、私をサポートしてくれたので助かりました。
- 加納:
- そのときはすでにご結婚されていたのですね。独立のお話をお聞きになったときはいかがでしたか。
- 中根(早):
- 不安はありましたが、主人はもの凄い頑張り屋ですから、反対するよりは出来る限り主人の力になろうと思いました。
- 中根:
- 社員としてはスタートしてから間もなく、1人の若者を雇いました。私は39歳・彼は16歳で、親子のような感じでしたよ。仕事を教えながらの二人三脚で創業期を乗り切りました。その数年後、息子も学校を卒業し、会社の一員となって頑張り、現在は専務として社員を指導、牽引しています。
- 加納:
- 現在、社員は何名ですか。
- 中根:
- 本社工場25名、派遣社員25名で、合計50名です。人材確保に頭を悩ませているという話を聞くことも少なくない中で、当社は恵まれていますね。
- 加納:
- この業界は若者が敬遠しがちで、業界全体で高年齢化が進んでいるとか。
- 中根:
- そうなんです。しかし、当社には20~30代の若者が多く、活気があります。創業期から若者と共にやってきましたから、後から入ってくる人も自然と若者が多くなったように思います。
- 中根(早):
- 家族が増えた感じで、和気藹々と仕事をしているんですよ。皆、真面目で素直ですし、主人に負けずと頑張ってくれる子たちばかり。なので、とても助かっていますね。
- 加納:
- 人材育成については、どのようなことに配慮していますか。
- 中根:
- 一人ひとりの個性を活かすことです。そのため、私は50名近い社員のそれぞれについて、性格や能力を把握しています。各々、長所もあれば短所もある。それに合わせて、指導の仕方も変えているのですよ。
- 加納:
- 専門的なお仕事ですから、指導も大変でしょうね。こちらは特殊部品の溶接や研磨を手掛けられているそうですが、どういったものを扱っておられるのでしょう。
- 中根:
- 発電所のタービンやポンプ、船舶のスクリューなどです。それらの製造における最終工程の整形や補修を手掛けています。部品によっては、9割まで機械で製造できても、最後の仕上げはどうしても人の手に頼らねばならないものがあるんですよ。肉厚管理部分で薄ければ溶接肉盛、厚ければ余肉除去して、微妙な曲線部を設計通りに整形したりといった、コツの要る作業です。
- 加納:
- 仕上げとなると、とても技術が要りそうですが?
- 中根:
- ええ。そのためのノウハウを、当社は数多く持っています。他社には真似ができない、独自の技術を蓄積してきました。
- 加納:
- こちらは人材派遣のお仕事もしておられるとか。
- 中根:
- 平成8年からですが、派遣業の資格を取得してやっています。主にフォークリフトなどの業務用車輌のドライバーを派遣しているんですよ。
- 加納:
- 柔軟に事業を展開されているのですね。今後についてはいかがですか。
- 中根:
- この4月に新しい工場も完成しましたので、更なる飛躍を図りたいと考えています。製造の最終工程のみでなく、材料の確保から加工、仕上げ、納品までをトータルで手掛けたいのですよ。そしてそのための準備も始めています。物作りのやり甲斐をより大きく感じられる企業を目指し、頑張っていく所存です。
(2006年4月取材)
頑張れニッポン
「ナカネ工作所」が仕上げを受け持つ特殊部品とは、大きさがメートル単位の大きなものだ。したがって、普通は技術者数人で作業することになる。しかし、同社は1部品を1人の技術者だけで担当する体制を敷いている。そのほうが責任が分散せず、集中力高く良い仕事が出来るというのだ。
「共同で仕事に当たるより、最初から最後まで自分でやるほうが、手掛けた実感が大きいですからね。その実感が、結果に対する責任感を生みます。そして同時に、同じ種類の仕事を手掛ける仲間に対して、ライバル意識も芽生えるのです。そうして仲間を意識することが、技術の切磋琢磨に繋がります」と中根社長。社員一人ひとりの個性を重視し、またそれぞれへの信頼あってこその経営方針と言えよう。
